2016年07月11日

シール工法

記事訂正 2016/07/12

読み直したらちょっと細かく書きすぎた気がするので、ほぼ全面的に書き直しました。


要約

 機械でちょっとトラブったので修理したら板金部品の造りがアレだった。

 こりゃまずいだろうと感じたので僕が考える最強の代替手段を提案するのでご検討下さい。

提案内容

3M™ Scotch-Weld™ EPX™ 二液室温硬化型接着剤【高強度金属タイプ】メタルグリップ / DP-810

 シリコーンシーラントに代わって、このメタルグリップで施工して下さい。

 シリコーンシーラントより強度があって、塗装の乗りも良く、硬化が早いので養生時間も削減出来ます。高いけど。

閑話休題

 このEPXシステムですが、専用ガンが必要ですが混合の手間が省けるので、実際に使ってみると作業性はとても良いです。難点としてはミキシングノズルが使い捨てな事と、硬化が早いのでもたもたしていると直ぐにノズルが詰まってしまう事ですが、実はこのノズル、詰まっても再生可能です。

 適度に固まった状態で先端側から棒でつつくと、中のミキシングスクリュー毎スポっと抜けるので、先の方から丁寧にひん剥いて行くとスクリューを取り出す事が出来ます。取り出せたらノズルの中に仕舞って、一緒に抜け出た赤い部品で蓋すれば完了。

 完全に固まってからだと剥くのが大変なの生乾き状態で作業するのがコツです。

 逆に硬化が足りないうちに作業するとあちこちくっついて気持ち悪いですし、何より硬化時に結構発熱するので素手だと火傷などの危険があります。くれぐれもご注意を。

 まぁたかだか300円ばかのノズルをちまちま剥いて再生するような貧乏垂らしい事はみんなしないでしょうけど。


 つまり書きたかった事は最後の段だけだったりして


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2016年07月08日

HRC60の壁

 どういうわけか無垢の焼入れ鋼(DC53 HRC61)をしこたま削らなくてはならない事になり、荒取りの工具をどうしようか悩んでいました。いつもなら荒〜仕上げまで超硬ソリッドを使うのですが、今回ちょっと量が多いので出来るだけ工具費を抑えながら能率もそこそこで行きたいなと好き勝手な事を考えておりました。

 過去にはSecoのミニマスターやタンガロイのDoFeed Mini(EXN03)、日立ツールのRH2Pなどを使ってあれやこれやしていましたが、HRC60弱ならそれで行けるんですが、60を超えてくると中々しんどいです。

 先日参加した京セラさんのセミナーでちょっと相談しましたところ、サンプル出すのでチャンレンジして下さいとの事で高送りカッターを送って頂きました。MFH25-S25-10-2T、インサートはSOMT100420ER-GM PR1535。早速使ってみましたがあえなく撃沈、見事に割れました。

 次にタンガロイの高送りカッタ(EXN03R020M20.0-04 + LNMU0303ZER-MJ AH3035)が何故か転がっていたのでHRC59のSKD11で実績の有った条件で削った所、開始数分で刃が溶けました。京セラの様に欠けたりはしませんでしたけど。

 SKD11とDC53でこんなに違う物なのかなぁ?それとも硬さの違い?

 こうなってくると残るは日立のRH2Pくらい。でも過去の実績からタンガロイでアレだとこっちでもちょっとしんどそうな気配。もう仕事受けてしまったし、材料は全て焼き上がってる様だし、まいったなぁと思いました。

 話の成行で別の商社の方にも焼入れ鋼沢山削りたいんだけどと相談したところ、サンドビックのデモ機有るんで試して見て欲しいとの事。サイズ幾つか有るそうなのでコロミル390のφ20x3枚刃を借りました。インサートはR390-11 T3 16M-PM GC1010。

 念の為切削条件について伺った所、とりあえずカタログ信じて加工してくれとの事で、載っていたのはHRC59 最大切屑厚さ 0.07〜0.12〜0.2、切削速度130〜125〜120との事。切込みくらいは自分で考えよって感じであまり具体的には書いてありませんでした。

 本来こういうのは肩削りで使うんでしょうけど、形状的にはなだらかな3D曲面なのでノーズR大きめにして等高線加工で行ってみようと思いR1.6を手配して居たので、ap0.4、ae8.0として、hex0.1からfz0.3としました。Vc125からS1990、F1790。

 とりあえず開始早々刃先が真っ赤になったのでやっぱりVc125は早過ぎるんじゃないの?と思い、オーバーライドを60%まで落としました。それで暫くいい感じで削っていたので様子を見ましたが、20分くらい頑張った所でちょっと切削音が変わりました。多分チッピングが出たのでしょう。そのまま様子を見ましたが結局30分くらい経った頃にコリンという音がして欠損しました。

 オーバーライド60%にして30分くらいという事は、カタログ条件はここでもやっぱり15分寿命なのでしょうかね?

 先の2社の結果と比較してみるとかなり頑張った様にも思いますが、仕事としてはこれでも商売に成らないので他の方法を考える事にしました。と言ってももうスローアウェイな感じの工具でこれと言った物が無いので、手持ちの超硬ソリッドの中から探すしかありません。

 で結局普通に日進のMHDH645で負荷制御したら難なく削れました。φ6x12突き出し25、S4800、F1000、ap12.0、ae0.12。突っ込んでぴろぴろ削って駆け上がるので中仕上げの負担も少なくていい感じ。大体3〜4時間くらい削ってもまだ大丈夫そうな感じ。ただちょっと能率悪いのが難点。

 本当はもう少し太い径を使いたいんだけど、サマーキャンペーン(名前変えて一年中やってるそうですが)対象がφ6以下限定なんですよね。

所感

 ずっと前から感じている事ですが、焼入れ鋼を削るには比較的刃がシャープな物を使わないとダメな気がします。旋削するときも自動盤用のシャープエッジの物の方が、ホーニングの施された高硬度材用の物より遥かにすんなりしかも長寿命で削れますし、超硬ソリッドのエンドミルも基本的にスクイ角は0〜ややネガであっても刃先はシャープです。

 京セラの高送りが上手く行かなかったのもやはりホーニングが大きすぎる感じがしますし、タンガロイのも一番使われる凹切れ刃の所のスクイがネガ過ぎる気がします。その点コロミル390のインサートは結構シャープなのが良かったんじゃないでしょうか。インサートのスクイ角は+10°もありますし、ホーニング幅も小さめ。

 焼入れ鋼の加工では背分力が大きいため、欠損に耐えるようスクイをネガにしたり刃先にチャンファーホーニングを施したりしますが、そういうので良い結果が得られた事ってあまり無い気がします。特にHRC60を超えてくる場合には。

 という訳で次は例の6枚刃ソリッド高送りカッターで行ってみようと思います。能率的にはアレが一番なんじゃないかと思うのですが如何せん価格が高すぎるのだけは何とかして欲しい所。

 それとやっぱりツールパスですね。例え等高線加工でも負荷制御。今回そこまで条件出し出来ませんでしたけど、もう少し工夫すればもっと上手くやれたんじゃ無いかという気がします。要点は工具への入熱対策と思っていて、その為に必要なのは切削関与角を一定以下に保てるかどうかという所。

タグ:工具 難削材

posted by antec at 23:02 | Comment(2) | TrackBack(0) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月06日

オカルト商品

 ちょっと時間が経ってしまい恐縮している所ですが、とある方から怪しげなアイテムを頂きました。何でもクーラントの腐敗を遅らせる効果があるのだとか。ただし腐ってからでは手遅れとの事。ん〜〜、それだと効果が有ったかどうか、確認のしようが無い気がしますね。

 物はこちらです↓

HYGIENE60-1.jpg
<図1> 多分こっちが表
HYGIENE60-2.jpg
<図2> そして多分こっちが裏

 一体コレは何でしょうね?

 まぁ正直な所、事前にオカルトアイテムだと聞いていたので、渦巻きの絵とかが送られてきたらどうしようとか考えて身構えていましたから、とりあえずそっち系ではなかったので安心しました。

 ぱっと見はただアルミの板を曲げただけにしか見えませんが、本当にこんなのが腐敗防止に役立つのでしょうか。

 親切にも説明書きが付属していたので読んで見ましたが、基本的な使い方は付属のネットに入れてクーラントタンクの中に吊るしておけば良いらしいです。またヌメリなどが付着すると効果が弱まるので定期的に取り出してゴシゴシ洗い落とすようにとの事。ネットはそのヌメリをこそげ落とすように硬めに拵えてあるそうです。

 僕素人なのでよく分かりませんが、ネットだと余計にヌメリが付きやすい様な気がするのですが、そんな事は無いのでしょうか?

 細かい事は抜きにしても、一体どういった理屈で防腐効果を発揮するのかは気になります。幸いな事に商品名らしき物が刻印されているので、何か情報が無いか探してみました。

 するとGHAテクノロジーなる会社が見つかりました。色合い的に多分ビンゴでしょう。

 そこに『GHAアルマイト(機能性アルマイト)とは』というページが有ったので読んでみた所、どうやら硬質アルマイトの皮膜中に銀を析出させた物だという事が分かりました。

 銀や銅は古来より殺菌・抗菌作用がある事が知られていますが、それを利用しているっぽいですね。

 原理が分かると今度は類似商品もあるのかちょっと気になりますよね。そこで幾つか探してみた所、まず銀析出アルマイトという所ではメタルコートなどが見つかりました。

 また銀イオンや銅イオンを利用したクーラントの腐敗防止商品はそれこそ無数に見つかりますので適当に取り上げてみますと

 大層な装置だったり凝った作りをしている物が多いですね。それに比べて我らが GHA HYGIENE 60 の実に簡素な事...率直に言ってもう少し何とか出来無かったのでしょうか。もっと表面積を増やすとか。

 でもよく考えてみると、これだけシンプルな形でライバル達と同等の効果があるなら、その方がよっぽど凄い事なのではないでしょうか?

 よくよく見るとタンクのスラッジを掻き出すのにも役立ちそうな絶妙な曲げ加減といい、意味不明ながら知的な雰囲気を醸し出している名称といい、細部に製作者のセンスを感じさせます。洗練されたデザインというのはこう言う物を言うのでしょうね。

 そんな訳で競合製品などの情報を収集していた所、偶然にもこんなページを発見しました。

 マシニングセンターの切削水用殺菌”ハイジーン銀イオン棒TM”

 これはどういう事でしょうか。もう製造元は無くなっていると聞いていたのに、そこに写っている物はちょっと汚い色してますがそっくりな形をしています。こんなエレガントなフォルムはそうそう辿り着ける物とは思えません。

 そして決定的なのがこの文言。

以前は「ハイジーン60」というシリーズを販売して、殺菌効力という点でかなりのご好評をいただきましたが、販売戦略など関係で販売を集中できすに挫折してしまいました。そのために、今回の「ハイジーン銀イオン棒」は「ハイジーン60」の機能を100000倍高めることに成功し、より強力に殺菌する機能を持たせて、戦略的に販売する予定です。

 まさかの後継商品発見です。しかしそれ以上にショックを受けたのは、後継製品のその威力。何と100000倍だそうです。桁がよく分かりません。

 仮にHYGIENE 60が投入から1週間くらいで効果を実感出来るくらいの効力だとすると、ハイジーン銀イオン棒なら僅か6秒で効く計算になります。確かにそれは“凄い”。

 しかし1点だけ腑に落ちない所があります。それはこの名称。HYGIENE 60という神秘的な響きから一転、ハイジーン銀イオン棒™ですよ!?。誰ですかこんなダサい名前考えたの。これは絶対違う人です。HYGIENE 60を考えた人がこんな名前を付けるわけがありません。

 しかし悔しいですがこの銀イオン棒、気になって仕方がありません。これはやっぱり入手するしか無いでしょうか。

弊害は無いのか

 所でエマルジョンのクーラントにとって金属イオンは無害とは言えません。特に問題視されるのはイオン化傾向の高いマグネシウムやアルミニウムとの事ですが、銀や銅はそれと対極に位置しますから問題は無いのでしょうか?実際に銀イオンや銅イオンを利用した商品がこれだけあるのですからきっと問題は無いのだと思いますが、やや心配な所ではあります。

 そういった事をいくつかのクーラントメーカーの方に伺った所、少なくとも銅については無害では無いとのお話。実際銅合金ばかり加工している所でクーラントの変質(乳化破壊)が起きる事は珍しく無いそうです。一方銀に関しては普通の加工現場で銀イオンが大量に溶出するような場面が無いので、知見が無いというのが正直な所だそうです。


 そんな訳で GHA HYGINE 60 は2台の機械に投入して約1月経ちますが、正直言って効果が有ったのか無かったのか良く分かりません。それでも何となく匂いは1ヶ月前より気にならなくなった気がしますので、それなりのプラシーボ効果は発揮しているようです。

タグ:クーラント

posted by antec at 21:07 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記・雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする