2018年02月08日

DLC転造タップ その2

 先週特注のタップ DLC コーティング品が届いたんけど、ちょうど納期に追われててテストどころじゃ無かったのでようやく今日デビュー。なかなか良い具合だ。

 そことは別に OSG さんにもコーティングのご相談をしてみたけど、上手く行ったり行かなかったりで時の運だよ的なお話。まぁそれでも良いから何種類か注文してみた。

 舶来品の DLC コーテッドタップについては Emuge と Widia のを実践投入中ですが今のところは良好。まだそんなに数行ってないけど。Sandvik は見積もり取ったら結構高かったので今回はパス。

 Widia のカタログ見てても下穴径の表が見つからなかったけど、基本的に OSG の NRT と同じで良いっぽい。

 一方 Emuge はちょっと違って、OSG の表よりやや大きめの下穴にしておかないと、タップ後の内径が小さくなってしまうようだ。Emuge のカタログに推奨下穴径が載ってて大きいなぁと思ってたけど、確かにその通りだった。

Emuge_Thread-hole-preparatory-diameter-for-cold-forming-taps.png
Emuge 転造タップ下穴径

150J-2 Cold forming .pdf P.321

 でもお陰でM3でφ2.8とか、M4でφ3.7などの0.1飛びサイズに合う物があったりして、使えるドリルが増えて良いかも。日立の SD が使えるし。

 個人的には Emuge はありかも。

タグ:工具 ねじ

posted by antec at 20:31 | Comment(0) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月01日

S500X1

 M140に続いて再びBrotherの機械が入りました。今度はS500X1

 今までタッピングセンターでは工具長測定にBIGのベースマスターを使っていましたが、M140では工具折損検出装置を利用して測るようにしました。小型の5軸機はワークを取り外さないとテーブルにベースマスターを置くような空いたスペースが無いので。

 これが中々好評なのでS500X1にもオプションを付けておいたのですが、ちょっとこちらの方はそのままでは工具折損検出の役割にしか使え無さそうな状態。

 具体的に言うとセンサーを取り付けているステーが板金で華奢なのと精度が出ていないので、測定子の水平が出ていないのです。それもわずかφ3の範囲でコンマ台の傾き。そりゃ〜ないでしょう。

 もちろんこんな状態でも工具折損検出くらいには使えると思います。オプションの名目も『工具折損検出装置』ですから、クレーム付けた所で相手してくれないでしょう。

 という訳でそのままではこちらの目的としている工具長測定装置として使えませんが、かと言って折損検知だけで我慢する事も出来ないので、何とかして目的が果たせるように改善を図る事にしました。

 まず板金をテーブルのT溝にM10のキャップ1本で止めていますが、板金が薄すぎて曲がってしまっています。そのせいでセンサー付近をちょっと揺するとふにゃふにゃ。

 これをどうにかする為に、M10の狭い範囲で締め付けるのが問題と見て、ブロックを噛まして出来るだけ広い面で押さえつけるようにしました。これだけでもかなり剛性はUPします。

S500X1_Tool_Breakage_Detection_Sensor.jpg
工具折損検出装置

 続いて測定子の水平ですが、板金の精度が悪すぎてシムを噛まして何とか出来る様な気がしなかったので、仕方がなくプライヤーで曲げ曲げしながら根気よく水平が出るまで調整しました。柔な作りだと却ってこういう操作は楽ですね。いつまで精度維持出来るか分かりませんが。

 やれるだけ調整してみて、それでもダメだったらステーを削り出しで作り直そうかと思っていましたが、まぁ何とか使えそうな状態にはなったので、暫くこれで運用してもらってそれでもやっぱりダメだなぁとなったら改めて考える事にしました。


 因みに本来このセンサーはテーブルの左奥に設置されていますが、バイスを2連にしているとバイスの固定側口金のすぐ左隣にセンサーが来るので、フェースミルでセンサーを削ってしまわないか心配になります。

 幸いうちでは小物が主体なので、テーブルの前の方に移設した方が普段の加工の邪魔にならなさそうだったので設置場所も移してみました。こういう融通が効く所はDIYの利点かも。

タグ:工作機械

posted by antec at 20:54 | Comment(0) | 工作機械 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月12日

DLC転造タップ

 アルミに転造タップでトラブると言うとだいたいが溶着からくる物ではないでしょうか。ダイカストみたいなSi多めな材料では転造タップはとても有効でトラブルも少ないと思いますが、アルミニウム合金としては最も一般的なA5052などでの転造タップは注意が必要です。

 溶着を防ぐ手段の1つとして被削材との親和性の低いコーティングが挙げられ、アルミ加工で実績の高いコーティングとして真っ先に上がるのがDLCコーティングではないでしょうか。

 所がタップメーカー各社へタップへのDLCコーティングの適用を聞いてみると、どこもあまり良い話をしてくれません。

 曰く、DLCコーティングはそもそも密着性があまり良くなく、特に超硬に比べて軟らかいハイスへのDLCコーティングでは、剥離のトラブルが避けがたい為なんだそうです。で、色々と研究した結果として世の中に出してるのが今の製品ラインナップなんだとか。

 え〜、そんな事言ったってさぁ、アメリカじゃ違う事言って売ってるじゃん(注:リンク先PDF)とか個人的には思うわけです。

 またDLC以外にもアルミの溶着が少ないコーティングとしてはCrN、CrC/C、ZrN、TiB2など、色々と切削工具や金型などで効果を上げている物はありますが、そういった物は駄目なんでしょうか?

 そんな訳で待ってても一向にこれという製品が出てきそうもないので、もう既に出しているメーカーを探して取り寄せてみました。2つほど。

 1つは泣く子も黙る高額工具メーカーで有名な(と勝手に思っている)EMUGEのイノフォーム 1-AL/E-SN-PM-GLT-8(注:リンク先PDF) という、DLCコーテッドフォーミングタップ。型式覚えられません。

 もう1つは世界初の超硬スローアウェイ工具の特許取得など、超硬工具のパイオニア的企業であるとされるWIDIA(の傘下に入っている)GTDという、タップメーカーとして140年以上もの歴史があるそれはそれはありがたいブランドのタップ、GT22 • Metric DIN 2174 • Form C Semi-Bottoming Entry Taper です。

 とりあえずテストとして200穴ほど加工してみた限りでは、国産のTiCNコーテッドタップに比べるとねじ山がとても綺麗です。これがどれくらい続くのかは分かりませんが。

 一方ちょっと困るのが基本的な寸法諸元が DIN 2174 に基づいて作られている所。分かり易く言えば国産タップ(JIS規格)とシャンク径が違う。その為に近年お流行りのメガシンクロタッピングホルダなどが使えません。まぁコレットで咥えれば良いので大した問題ではないか。

 あと言うまでも無くやたら高い

 実戦配備して数万穴くらいやって良い結果が出たら、もう1度国内タップメーカーさんに言ってやろうと思う。タップにDLCだって上手くやれば使い物になるじゃん、と。いやまだそれは分かりませんが。

 もしやっぱダメだねーという結果だったら、確かに仰る通りでした m(_ _)m と謝罪致しますので代わりにもっと良いの作って下さい。

 こんな高級工具そう気易く買える物ではありませんが、アルミだったらむしろTiNとか、あるいは超硬ロールタップなんかも中々良い具合だよというまことしやかな情報もあります。でも何かそれじゃ面白く無いんだよね〜。

追記 2018.01.15

 ちなみに世界最大の工具メーカーであるサンドビックさんを探してみると、DLCの転造タップ(M3〜M8)CrNの転造タップ(M3〜M12)もちゃんとラインナップしている模様。もう少しサイズ増やして欲しいけど。あと残念ながらこちらもやっぱりDIN規格。

 また見積貰ってあんまり高く無かったら使ってみたいなぁ。

タグ:ねじ 工具

posted by antec at 21:20 | Comment(2) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする