2017年10月25日

高送りはドライで

 かなり前からSecoの3コーナータイプの高送りカッターを愛用していますが、最近は京セラのMFH Miniをよく使います。こっちの方が大分静かなので。

 ってまぁ流石に世代が違いますからね。セコもHigh Feed 2になるとかなり良さそうな気がしますが、残念ながらそっちは使った事ありません。というか個人的な趣味の為だけにそんなに色んな工具買えない。

 そう言えばこのカッター買ってからあまりSUSを削ってなかったのでちょっと実験してみました。

 被削材:SUS304、チップ材種:PR1525

MFH-Mini_PR1525.jpg
左:ドライ 右:ウェット

 同じ条件でウェットとドライの比較。セコん時でもそうだったけど、SUSでもドライの方が長寿命。

タグ:難削材 工具 HFM

posted by antec at 02:57 | Comment(0) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月20日

アルミにスローアウェイドリル

 もう10何年と立MCで加工している製品があるのですが、様々な状況を鑑みて5軸加工機で加工しようかなぁという事になりました。加工自体はそれほど難しい所は無いのですが、軽量化の為の肉抜き穴を何で加工しようかなぁというのだけがちょっと悩みどころでした。

 その穴はφ24深さ60が数カ所。これまでは京セラのマジックドリルDRXで加工していたようです。因みに加工条件教えてもらったらG73でV400、F0.15、Q1.5(センタスルー)という感じでした。

 何を心配しているかというと、5軸機での加工となった場合にはLANGのバイスで咥えて横から空けなければならなくなる事でして、過去にφ20深さ120くらいの穴で、ドリルのスラスト抵抗に負けてワークがちょっとずれてしまうという事を経験していたので、今回もそんな事があったらやだなぁと思ったからです。これ柔めのアルミに特有の問題。

 因みにその時に使ったドリルはハイスのオイルホール付きの奴で型式はVP-HO-GDRか何かだったと思います。

 こんくらいのサイズになるとソリッドなドリルは今更買う気が起きないのでお流行りのスローアウェイなドリルの中から良さげな物を探そうと思いましたが、この手のドリルって柔らかいアルミ(A5052など)は眼中に無い感じがしませんか?

 とりあえず候補として上げたのはこんな所です。

  1. KOMET KUB Pentron
  2. BIG フルカットドリル トライゴン
  3. NACHI アクアドリルEX VF+DLCチップ
  4. 京セラ マジックドリルDRX

 あと工具商社様からの勧めで下記の物も検討しました。

  1. 住友電工ハードメタル SumiDrill WDX
  2. TaeguTec Tドリル
  3. イスカル DRツイストドリル

 何でスローアウェイドリルの代名詞とも言うべきスーパーUドリル(コロドリル880)が入ってねぇんだよって言われそうですが、美味しい物は後に取っておく派なので、最初に選ぶ事はまずありません。

 この中で個人的大本命はKOMETのPentronだったのですが、いかんせん入手が非常にアレでして、今回は断念しました。先日のメカトロテックで出展している所を見かけた時には、お前らどういうつもりで此処に来てんだよって聞いてやりたかったです。小心者なのでそんな事出来ませんが。

 フルカットドリルトライゴンもKOMETのOEMっぽいのと、TiB2っぽいコーティングのインサートがあるのでちょっと期待したのですが、メーカーに問い合わせたらもう大分古い製品となってしまったので近頃の他社製品との比較となると正直あまり自信がありませんとの事で、それは申し訳ないと思って候補から外しました。

 で、NACHIなんですが、これだけ他と違って先っちょ丸毎交換式。こういう方式自体は各社ありますが、アルミ用にDLCコーティングしたのを用意しているのは珍しいんじゃないでしょうか。形状的に使い勝手はソリッドドリルにかなり近いんじゃなかろうかと思う訳ですが、そうなると心配なのはスラスト荷重がどの程度なのかという点。ソリッドなドリルはある程度の送り範囲で分断された切屑が生成されて上手く排出されますが、1回転当たりの送りがやや高めなのでスラスト荷重がちょっと心配です。

一見すると内刃と外刃の別れたUドリル系のドリルよりも、ソリッドドリルやそれに近い形状したこっちの方が切れ味良さそうに見えるので、切削抵抗もUドリル系の方が大きいんじゃないの?という方も居ますが、自分的には1回転辺りの送り量が全然違うので、こういうクランプに心配のある加工ではUドリルみたいな奴の方が有利なんじゃないかと勝手に思っていて、そういう理由から上のチョイスがそれ系メインなのです。実際の所どうなのかは知りませんが。

 その他の物の中では工具の商社様は住友のDL1500は評判が良いと仰っていましたが、このSumiDrill WDXはφ20の2Dを1本持っていて旋盤の方で使っています。2017とか6061みたいな硬めのアルミには確かに調子良いのですが、5056では散々だった記憶があります。それでもと思って念のため5軸機の方に付けてみてテスト加工しましたが、やはりどうしても1.5Dを超えた辺りから切屑が上手く排出されなくなって異音と共に穴が拡大してしまうなど、とても安心して使える様な感じではありませんでした。使い方が下手なのかな?

 そんなこんなで色々検討はしてみたものの、あまり無駄に工具買ってもしょうがないので今回は他の人が使ってるDRXを借りてきて使う事にしました。

 立MCだとバックリ咥えて加工できるので条件もそんなに気にならないのでしょうけど、3mm咥えの横穴だとそうも行きません。立MCの条件では事故りそうな雰囲気だったのであれやこれやテストして、基本的にステップ無しで送りを遅めにした方がよい事が分かり、最終的には V270, F0.08のノンステップでいくと切屑もそこそこに捌け、穴の径や面粗度も良い感じになりました。まぁバカ穴で十分なんですけどね。あ、クーラントはセンタスルー(3MPa)です。

 そんなこんなで量産開始し、心配した様な事故も起こらず順調に加工が進んでおりました所で商社の方がNACHIの営業さんを連れて来ました。何かお困りの事はありませんかと。

 順調に加工が進んで居たので別に困ってはなかったのですが、一応聞くだけ聞いてみました。使ってみたいんだけど安い工具ではないので気軽に試せないんですよと。そしたら何とサンプル出すんで是非使ってみて下さいとの事。何とも気前の良い事で。絶対に上手くいく確証があるなら買って下さいって言いたいのですが、そこまで自信が持てないので使って感想聞かせて欲しいそうです。なるほど。

 てな訳で本日早速頂いた工具を装着して、いつもの端材からテスト加工をしてみました。

 カタログに載っている条件はφ24でS3200 F1800(V241, F0.5625)ですが正直言ってちょっと怖いですね。とりあえずいきなりこの条件で横から空ける勇気は無いので上から空けてみましたが、口元は拡大するし面粗度もあまり良くないしでちょっとどうかと思いました。剛性が足りなかったですかね?

 まず送りがどこまで落とせるか試してみて、0.15mm/revまで行くとやや繋がった切屑が出るようになる為、一旦0.2くらいを限度と判断。切削速度の方は上げても下げても良い所と悪い所があって、何かしら調子の良い回転数とそうでない回転数とが周期的に存在しそうな感じでした。

 で、V500、F0.25のノンステップというのが今のところ色々とベストな感じに見えました。因みにこの時の主軸ロードメータは70%くらいを指します。参考までにDRXのV270,F0.08だと20%くらいです。やはり送りが高いせいか、切削抵抗は高めになりますね。加工もその分早いですが。

 テストでは送りは0.35くらいまで上げても何とかワークがずれないで済みそうなので、0.2〜0.3くらいの送りにして次回の量産で使ってみようと思います。

 加工が早くなるとかは正直どうでも良いのですが、DRXの切屑よりも嵩張らないので切屑捨てに行く回数が減らせそうな所が満足ポイント。

 あとは何となくDRXにTiB2かDLCのコーティングしたらかなり良さそうな気がするのですが...というか国内で切削工具向けにTiB2コーティングしてくれる所ってどこかご存知無いですか?


 なお同じワークにもうちょい小さな穴があって、そちらにもDLCコーテッドなオイルホール付き超硬ソリッドドリルをサンプル提供受けましたが、加工した穴の品質はそれまで使っていた三菱のMNS(ノンコート)と比較して別に良くも悪くも無い感じ。刃物への溶着はコーティングがある分だけ改善されましたが。あとこれカタログには『ガイド性の高いダブルマージンを採用し、安定した深穴加工が可能』と書いてあるんですが、送られてきた5Dの奴はどう見てもシングルマージンにしか見えません。もしかしてダブルマージンとなっているのは10Dからとかですかね?だとしたらカタログにきちんと書いておいた方が良いと思うんですが。ちょっと期待していたのに。

 そっちの穴には個人的に住友のオーロラコートがどうかな?と思っています。何せ日立のSDにサイズが無いので。

 なのに住友も只今欠品中。ってか住友さん欠品多くない?

タグ:工具

posted by antec at 23:24 | Comment(3) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月27日

京セラSGSの47ML

 先々週くらいだったか、京セラの方が新しい工具のチラシを持って来られました。

47M-series.jpg
京セラ 47Mシリーズ

 京セラとSGSが仲良くなってソリッドな回転工具のラインナップが増えたのはもうご存知かと思います。その数あるラインナップの中からなぜこの47Mシリーズのペラをチョイスして持って来られたのかは謎です。

 TiB2コーティングは国内では珍しいでしょ?というお話でしたが、自分的には既にSGSの43Mシリーズを使っているので正直言ってそこはあまり琴線に触れませんでした。

 しかしこの47Mシリーズですが、サイズのラインナップがとても微妙です。スクエアエンドミルはφ12、φ16、φ20の3種類のみで、しかも全部首下80mmのロングネックです。特にφ12x80なんて一体誰が使うんでしょうか?

 しかもカタログの標準条件がまた結構なはっちぇけぶり。(各自でご確認下さい)

 是非使ってみて感想を聞かせて下さいとの事だったので、本当にこの標準条件通りでやって良いんなら試してみても良いよと冗談交じりに答えました。


 翌週くらいになって社内の開発品のポンチ絵が出てきたら、何だかとっても深い所に狭い溝があるじゃないですか。色々考えてみたけどφ12以下のエンドミルで焼き嵌め使って突き出し80以上は要りそう。...まてよ?どっかで見たぞそんな工具。

 という訳で早速工具屋さんにTELしてその例のアレを取り寄せてもらいました。

47ML120-160.jpg
47ML120-160

 正直言ってガッツリ削るっていう感じには見えないですよね。ホルダがもっとゴツい感じのなら良いんだけどこのホルダじゃ無理効かなそうなのでMastercamの最適荒取りを信頼して高速肩削り条件にしました。条件表の下にひっそりと

※突き出し量を長くして使用する場合は切込みapと送りを上記表の50%程度にしてください

 なる注意書きが有ったのでそれを考慮して、S8100, F2330, ap12.0, ae1.2 からスタート。いざ加工してみるとちょっと音があんまり気持ち良くない。で、主軸のオーバーライドを上げ下げしてみると回転上げた方が良さげ。なので条件を S15000(max), F6500, ap13.5, ae1.0 に変更。すると頗る快音。ぜんぜんビビらないし、すげ〜調子良いじゃん。

 これはもしかして中々の掘り出し物では?

 仕上げの方もまぁそんな感じでやって程良く仕上がりました。

 という訳でアルミの深掘りで困った時にはとってもお勧め出来る逸品でした。

 もし要望を上げるとするならば、まずサイズの取り扱いをもう少し増やして欲しいですね。本国のカタログを確認すると47MLシリーズはφ6からあるみたいだし、あとやっぱり43Mシリーズも使い易いサイズが豊富にあります。この辺のやつは従来品(3AFKやハニタの奴等)や他社の商品群とも被るのであえて避けてるのかも知れませんが、物は良いと思うんですよね〜。

 でもって今回の仕事をやっつけて時間が取れたら是非カタログの溝加工条件を試してみたい物です。

タグ:Endmill 工具 hsm

posted by antec at 21:44 | Comment(2) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする