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2018年01月12日

DLC転造タップ

 アルミに転造タップでトラブると言うとだいたいが溶着からくる物ではないでしょうか。ダイカストみたいなSi多めな材料では転造タップはとても有効でトラブルも少ないと思いますが、アルミニウム合金としては最も一般的なA5052などでの転造タップは注意が必要です。

 溶着を防ぐ手段の1つとして被削材との親和性の低いコーティングが挙げられ、アルミ加工で実績の高いコーティングとして真っ先に上がるのがDLCコーティングではないでしょうか。

 所がタップメーカー各社へタップへのDLCコーティングの適用を聞いてみると、どこもあまり良い話をしてくれません。

 曰く、DLCコーティングはそもそも密着性があまり良くなく、特に超硬に比べて軟らかいハイスへのDLCコーティングでは、剥離のトラブルが避けがたい為なんだそうです。で、色々と研究した結果として世の中に出してるのが今の製品ラインナップなんだとか。

 え〜、そんな事言ったってさぁ、アメリカじゃ違う事言って売ってるじゃん(注:リンク先PDF)とか個人的には思うわけです。

 またDLC以外にもアルミの溶着が少ないコーティングとしてはCrN、CrC/C、ZrN、TiB2など、色々と切削工具や金型などで効果を上げている物はありますが、そういった物は駄目なんでしょうか?

 そんな訳で待ってても一向にこれという製品が出てきそうもないので、もう既に出しているメーカーを探して取り寄せてみました。2つほど。

 1つは泣く子も黙る高額工具メーカーで有名な(と勝手に思っている)EMUGEのイノフォーム 1-AL/E-SN-PM-GLT-8(注:リンク先PDF) という、DLCコーテッドフォーミングタップ。型式覚えられません。

 もう1つは世界初の超硬スローアウェイ工具の特許取得など、超硬工具のパイオニア的企業であるとされるWIDIA(の傘下に入っている)GTDという、タップメーカーとして140年以上もの歴史があるそれはそれはありがたいブランドのタップ、GT22 • Metric DIN 2174 • Form C Semi-Bottoming Entry Taper です。

 とりあえずテストとして200穴ほど加工してみた限りでは、国産のTiCNコーテッドタップに比べるとねじ山がとても綺麗です。これがどれくらい続くのかは分かりませんが。

 一方ちょっと困るのが基本的な寸法諸元が DIN 2174 に基づいて作られている所。分かり易く言えば国産タップ(JIS規格)とシャンク径が違う。その為に近年お流行りのメガシンクロタッピングホルダなどが使えません。まぁコレットで咥えれば良いので大した問題ではないか。

 あと言うまでも無くやたら高い

 実戦配備して数万穴くらいやって良い結果が出たら、もう1度国内タップメーカーさんに言ってやろうと思う。タップにDLCだって上手くやれば使い物になるじゃん、と。いやまだそれは分かりませんが。

 もしやっぱダメだねーという結果だったら、確かに仰る通りでした m(_ _)m と謝罪致しますので代わりにもっと良いの作って下さい。

 こんな高級工具そう気易く買える物ではありませんが、アルミだったらむしろTiNとか、あるいは超硬ロールタップなんかも中々良い具合だよというまことしやかな情報もあります。でも何かそれじゃ面白く無いんだよね〜。

追記 2018.01.15

 ちなみに世界最大の工具メーカーであるサンドビックさんを探してみると、DLCの転造タップ(M3〜M8)CrNの転造タップ(M3〜M12)もちゃんとラインナップしている模様。もう少しサイズ増やして欲しいけど。あと残念ながらこちらもやっぱりDIN規格。

 また見積貰ってあんまり高く無かったら使ってみたいなぁ。

タグ:ねじ 工具
posted by antec at 21:20 | Comment(2) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます
私も同様のトラブルで悩み、現在はノンコートの転造タップを買い、いつもお世話になっている工具再研磨屋さんに頼んでDLCコーティングしてもらった物を使っています。

多分1万穴以上切ってますが普通に使えています。
調子良いですよ。
Posted by オダ at 2018年01月19日 05:10
おはようございます。情報有難うございます。
特注コーティングの方も手配してありまして、来週くらいに入ってくる予定です。価格的にはそっちが本命(w
Posted by antec at 2018年01月19日 07:04
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