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2017年11月18日

2号機

 先日またM140X2が入ってきました。X1と合わせると3台目。いつものように最初の立ち上げ作業は自分がやって、出来たら担当者に引き渡します。

 今回のちょっと新しい試みとしては、工具長測定の改良と、テーブル自動心出しの実装。

 テーブル自動心出しは自分が担当する方の機械でやってる事で、今までM140Xxには付けて無かったんかいという感じですが、これ標準で付いてくるBLUMのスタイラスが太短くて有効長が足りない為に、加工段取り状態で測る事が難しかったので放ったらかしにしていました。まぁ自分が使わない機械なんてそんなもんです。

 工具長測定はA軸の横っちょに付いてて、測定時にA軸を100度に倒して使います。一応カタログの名目は『工具折損検出装置』なので本来は工具長測定装置では無いのでしょうけど、測定マクロさえ作れば工具長測定も行う事が出来ます。

 因みにうちの場合はX1納入時の操作説明中に指導員の方がその場で工具長測定マクロを組みながら使い方を教えて下さりました。

 ここに使われているタッチセンサーはメトロールの『高精度MT-タッチスイッチ〔Pシリーズ〕』と思われますが(憶測)、センサー単体の公称繰り返し精度0.0005mmと比較すると、実運用上の測定精度がそこまで高くありません。

 測定精度が安定しない主な理由としては、機械の熱変異とA軸の繰り返し位置決め精度の影響ではないかと考えています。なので今回の改良点はその2点。具体的には

  • 基準工具によるキャリブレーション
  • 測定後にA軸を戻さない

 5軸のマシニングで精度を管理しようと思うと、主軸ゲージラインを基準にするのが一番良いと思っています。なので本来なら工具長は信頼性のあるツールプリセッタで測るのが良いと思っていますが、残念ながら弊社にはツールプリセッタが無いので、機内で工具長を測っています。

 機内での工具長測定の問題点は、熱変異等の影響によって測定値がいつも同じにならないという事が挙げられます。

 3軸のマシニングならその時加工に使う工具の長さが揃っていれば絶対値としては間違っていてもそれ程支障がありませんが、5軸の機械では回転軸との関係が狂ってしまうと致命的なので、ゲージラインからの寸法がいつでも正しく測れる事がとても重要なのです。

 そんな訳で、正確にゲージラインからの長さを測った基準工具にてキャリブレーションしてから工具を測るようにすると、機械原点から測定子までの距離が変化していても正しい工具長を測れるようになります。

 基準工具の注意点は、基準工具の長さ自体が温度変化で変わる事です。線膨張率を12e-6[/K]とすると、基準工具の長さが100mmあって温度変化が10℃あれば 12e-6*100*10=0.012mm となり、結構無視出来ない量。

 A軸の繰り返し位置決め精度の問題は、A軸を動かさなければ問題にならないだろうという安直な考えから、キャリブレーション時に測定姿勢へ位置決めしたら、あとはずっとそのままにしておけばA軸の繰り返し位置決め精度の影響は排除出来ると考えました。勿論キャリブレーションだけでなく、工具長を測った後もそのまま。従来は律儀に測定が終わったら水平に戻していましたが、どうせ工具長を測る時は人が付いているのだから別に戻す必要も無かったのかも。その方が何本か連続で測る時には時間短縮になるし。

 こんな程度の事でも十分良い精度で測れるようになったので、今後は初品から安定した寸法で加工出来るようになるんじゃないかと期待します。

 因みにC軸がZ軸に対してちょっと傾いているので(X軸方向に0.009/100、Y軸方向に0.002/100くらい)、テーブル中心をテーブルの根元付近で測ると、バイスの上に掴んだワークの位置で測った時と一致しません。

 同様にA軸もX軸と平行ではないので、テーブルの心出しと座標変換(G68.2のマクロ版)の両方でそこら辺の誤差を見込んだ補正を掛けています。

 多分CNC-C00のロータリフィクスチャオフセット機能ではそこらの問題には対応出来ないんじゃないかと思いますがどうでしょうか。

 因みに大抵の機械では工具長測定装置はテーブル側に付いているので、5軸テーブルの心出しを行った際に傾斜軸中心のZ値に連動して工具長測定の基準高さパラメータも更新するようにするだけでも、工具長測定の精度が結構向上します。こうする事でいちいち基準工具でキャリブレーションしなくてもそれなりには測れるので便利です。

posted by antec at 12:11 | Comment(0) | 工作機械 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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