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2015年05月02日

デバリング技術

 随分前にいずれはバリ対策の事も書いていきたいと書いた気がしますが、今日はその辺の事をちょろっと紹介します。

 バリ対策の基本は、何と言ってもバリを出さない事。出てしまったバリを取る方法を考える前に、まず出さない。これが基本です。

 その為には基本的な知識として、バリはどういう所に出やすいかというのを理解しておく必要があります。

  • 刃の抜け側
  • 鋭角稜線

 これだけ。

 他の部分には絶対に出ないという事ではありませんが、出やすいのはこういう所です。ですのでこういう所を無くせばバリも殆ど出なくなります。

 さて、そうは言っても実務の中ではバリを全く出さないように加工する事は難しいので、出てしまったバリを取る方法も考えねばなりません。その時、バリ取りだけを考えているととても大変になりますし、バリ取りの為にあまり工数を割きたくありません。そこで、バリの出方をコントロールするという事が必要になってきます。一言で言うと、

  • バリは取りやすい方に出す

 機械で取るにしても手作業で取るにしても、取りにくい所のバリ取りはコストが掛かるので、加工の順序とか刃の当て方を工夫して、取りにくい所に出さない事を心がけて行くと良いと思います。

 その辺を踏まえまして一例を紹介します。下図の様にねじ穴の抜け側にバリが出てしまった場合、こういう所だとちょっと取りにくくてやらしいですよね。こういう時どうしたら良いでしょうか。

Bur1.jpg
<図1> バリ出た

 こういうバリを発見した時、何とかして取る方法を考えるのは素人です。冒頭にも書いたように、バリ取りの基本はバリを出さない事なので、まずこういうバリが出ない様に加工する方法を考えるのが正しいアプローチです。

 対策はねじ切りの位相を変えてみる。リジットタップならR点を上げ下げしてみる。スレッドミルならねじ切り開始角度を自由にコントロール出来ますね。タッパーとか使ってると中々難しいですが。

 するとこうなります。

Bur2.jpg
<図2> バリ出ない

 これなら何もケアしなくても文句言われません。もしこうした事で今度は上側に出るようになってしまったとしても、下側に出てるよりかは遥かに簡単に取れるのでOKです。

 普段から加工した部品をよく観察していると、バリが沢山出る所と、殆ど出ていない所がある事に気付くはずです。それを上手く利用して、バリを取りにくい所にバリの出ない方向を合わせると、辛いバリ取りから開放されてみんな幸せになれるんじゃないでしょうか。

posted by antec at 10:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 加工理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
いつも興味深く拝見しています。

今回のテーマ、デバリングについてですが、
例えば、パイプ形状(リング形状)のワークにタップを立てる場合、
どういった手法が考えられますか?

内周側に出るバリの処置が容易ではないので、結構悩みます。
内径とネジサイズにもよりますが、
ネジ加工前に、アンギュラ工具で面取りを入れ(3軸でそれっぽく)
抜け際を薄くしたりしています。
Posted by TK at 2015年05月03日 18:38
TKさん

はじめまして。

そのような場合は同じく裏面取り工具にて面取りする場合もありますし、ワークサイズや段取りによっては正面側から球型のボールエンドで面取りしてからタップの加工をする場合もあります。

大きなバリが出ていなければOKという場合には加工条件等で対処する事もありますし、内径に嵌合がある場合など、少しのカエリでもアウトな場合もありますので、その時の気分で適当に処置しております。
Posted by antec at 2015年05月03日 19:03
やはりそんな感じですか、、

Inco718を相当数加工してまして、
ネジ径も0.5インチと比較的大きいので、
結構〜真面目に悩んだりしてます。

最終的には、いつも前述の通りです、、
Posted by TK at 2015年05月07日 19:55
ねじの場合は糸面取りという訳にも行かないので面倒ですね。工具径への制約もありますし。
キリ穴よりはバリの方向を多少コントロール出来るのがちょっとだけ救いかも知れませんが。


バリ取りももっと気軽に誰でも出来るようになると良いと思っていますが、中々CAMや対話が対応してくれないんですよね。
CAMメーカーさんにはずーっと前からそういう事したいと話してますが、他からはそんな話聞いた事無いとか。そういうもんですかね?
Posted by antec at 2015年05月08日 20:49
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