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2015年04月23日

溝入れ番長

 とある事情でアルミ用のエンドミルを探していた折、何故か京セラさんからSUS用のエンドミルと高送りカッタをお借りする事になりました。エンドミルの方はまだ開発中の物の様ですが、三菱日立ツールさんのエポックSUSマルチと比べて物凄く良い結果が出ていますとの事。丁度SUSの部品をやっつける予定があったのでこいつはラッキーと1つお借りして試してみる事にしました。

 比較対象はセコ・ツールズさんの JS554 にしました。正直今更エポックSUSマルチに勝っても嬉しくないので。

4TFK+JS554.jpg
<図1> 左:4TFK 右:JS554

 見た目はNACHIの GSX VL に似ていますね。突き出し量はストロークの関係で31に揃えてあります。本来ならもうちょい短く咥えたいんですが、届かないので仕方なく...

 巷では Adaptive な高送り加工が流行っているようですが、やっぱり荒取りならがっつり重切削でしょうと言うことで今回はフルの溝加工からぐりぐり広げていく感じで行きたいと思います。以前はSUSの溝加工なんて嫌な思い出しか有りませんでしたが、最近の工具ならきっとそんな事無いでしょう。メーカーさんもかなり自信が有るようでしたし。

 加工条件はとりあえず京セラさんの標準条件でと思いましたが、まだ発売前なのかカタログが見つからなかったので(条件聞いておくの忘れた)、4MFKの溝加工条件を参考にしました。

メーカー京セラセコ・ツールズ
型式4TFK 100-250554100Z4.0-SIRON-A
被削材SUS304
回転数S2550
送りF480
切込み ap3.5〜7.0
切込み ae10.0〜4.5

 切込み量はワーク形状の都合で一定には出来ないので、浅くなったり深くなったりはまぁ仕方無いです。面倒くさいので切込み量が変わっても回転・送りはそのままで行きました。実際の加工だと大体そんなもんでしょう。

感想

 でまぁ結果ですが、触れ込み通り溝加工に関してはかなり調子良かったです。確かにこれだと EPSM では勝てないかも。

 しかし肩削りになるとちょっとビビリがちで、正直言って調子良いとは言い難い状況。以前の製品( 4MFK )はどちらかと言うと最近流行りの高送りに合わせていたけど、こっちは溝加工をガッツリ行けるように改良したとの事でしたが、もしかしてこれ溝加工専用?

 肩削りだけでなく、溝加工でも比較的軽負荷が苦手な様子。その辺はセコの方が条件が変わっても比較的安定している印象でした。

 一応( 4MFK の)カタログが ap≦0.5Dc となっていたので突っ込み浅めにしましたけど、多分 ap は 1Dc 突っ込んだ方が調子良いと思います。ちらっと見せてもらった EPSM との比較テストでも1D突っ込んでたみたいですし、切り屑排出に問題が無ければ、ACP的にはそこら辺がベストな筈なので。

 加工後のバリはかなり少なく、セコのやつより格段に良いです。

4TFK_Burr.jpg
<図2> 4TFKでの荒加工後
JS554_Burr.jpg
<図3> JS554での荒加工後

 刃持ちに関しても 4TFK の方が良かったです。摩耗の程度はどちらも大差無い様に見えましたが、最終的に JS554 の方は境界部分にチッピングが数箇所生じたのに対して、4TFK はちょびっとしたのが1箇所出来たくらいでした。まぁあれだけバリの出方に差があればこうもなりますよね。

 音だけでなく加工後の壁面にも肩削りした側には僅かながら周期的な模様が出てるので、軽度とは言えビビってるのは確かなんですが...気にしちゃいかんのでしょうか。

 更に言うとホルダーから外してみても加工中のビビリ音を反映するが如く、 4TFK のシャンクには少しフレッティング痕が付いていましたが、 JS554 の方は綺麗なもんでした。やっぱりこういう所にもちゃんと表れてるもんですね。



 あと凄く個人的な嗜好で言えば、この 4TFK 100-250 のフルート切上げ部分はサイコーです。やっぱりこうあるべきですよ。

 しかしながら 4MFK のカタログ見ててちょっと気になった所がありまして、φ3〜φ5の首下長。これは頂けません。

 過去にもこういうのとかにも色々使いましたけど、こういう無駄に首の長いエンドミルに良い物は1つも有りませんでした。もし 4TFK あるいはその改良品が市販される際にも 4MFK と同様に首下が長い様でしたら、多分φ6未満を買うことは無いと思います。ここだけは是非見直して頂きたい。製造上難しい部分もあるのでしょうけど。


 そんな訳で 4TFK 100-250 は溝加工にはとても良い感じのエンドミルでした。あとは軽負荷時の性能が改善されるともう言う事無いんですけど。

 GSXVLやコロミルプルーラHDなんかとも比べて見たい物ですね。値段とかも含めて。

High Feed

 一緒に借りた高送りカッタの方は既に発売されているMFHのφ20です。何だかタンガロイのアレに良く似ていますね。

 これも高送りカッタとしては中々静かに削れて高速加工機やBT30番クラスの機械で使うにはとても良いんじゃないかと思いました。

 加工条件に関してはこちらも一応カタログ通り ap0.5のS2550(Vc160)、F4100(fz0.4)で始めましたが、特に問題無さそうなので回転送りを上げてみて、結局回転数はあまり無理しない方が良さそうな感じだったので送りを1.5倍くらいにして落ち着きました。もうちょいじっくりテストしてみないと良く分かりませんが、もうちょい上まで行きたいですね。多分まだ大丈夫だと思いますけど、今回は削る物がもう無いので試せませんでした。

 個人的にはどちらかと言うとSKD11の焼入ったやつに使える物が欲しい所ですが、これはこれで有りなんじゃないでしょうか。

 従来使ってた高送りカッタより振動がかなり少ないのでうちの機械にはこっちの方が良いかなと思いました。

 高送りカッタってだいたいどれも五月蝿いので敬遠されがちに思いますが、昨今の高送りカッタはその辺随分と改善されて来てますよね。まぁそういうもんだと思って使ってると気にならなくなりますけど。

posted by antec at 22:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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