2015年10月29日

メートルねじの公差を調べる奴

追記 2015/10/30

 色々と調べてみた結果、基本的にこの方法は間違いだったようです。

 従いまして下記のExcelで出した数値は出鱈目なので騙されないように。

 まだはっきりとしない所があるので、修正版を作る事が出来ません。引き続き調べて行きたいと思います。

追記 2015/11/5

 修正版をアップしたのでこちらは削除しました。




 引き続きメートルねじの寸法確認ツールですが、結局調べていく中で、公式から計算した値をそのまま用いていないサイズが思いの外多くあった為、公式から求める物とは別に、規格表から照会する物について、もうちょい範囲を広げる事を試みました。

 具体的には、 JIS B0209-1:2001 の表5、及び表6の有効径の公差に対して、表に載っていない細ピッチの公差を公式から求めて補間する事で、M1〜M355のピッチ0.2〜8.0の範囲を一通りカバーしようと考えました。

 公式から求めるのではなく、表から探し出す場合で問題となるのは、表に載っていないサイズの場合です。呼び径については範囲で定めてあるので、M1〜M355であれば特に問題はありませんが、ピッチについては離散的にしか掲示されていないので、そこに無いピッチの公差はどうなるのかが不明です。

 今回は半端なピッチの場合には、それ以下の最も近いピッチの値を参照するようにしましたが、果たしてそれで良いのでしょうか?

 直接公式から計算する場合と比較すると、公差の幅が狭くなる方向だと思うので、安全寄りではあるけれどその分コスト高になるかも知れません。

 その他に気付いている事としては、大径サイズの極細ピッチについては公差を算出出来ない(公差が0.25Pを超える)物がありますが、そういった物については表から除外した方が良い様な気がしますがとりあえず今回は無視しました。おねじがあっても対応するめねじが無いと意味ない様な気はしますが。尤もそれ以前に実用性から程遠いサイズは存在価値がほぼありません。

 そんな訳でインターフェースとしてはこんな感じで、サイズを入力して公差域クラスを選択するとその許容限界寸法を調べて表示してくれるという、ただそれだけの物です。

Thread-Tolerances-Checker.png
<図1> 入出力画面

 元データは「公差表」のシートにありますが、その中で有効径の公差の表をこんな感じに拡張しました。

Thread-Tolerances-Table.png
<図2> 照会用データ

 灰色欄が勝手に拡張した部分です。一応この欄から照会している場合には、それと分かるように出力欄の寸法値も赤字で表示するようにしたので、JISの正規の欄から見ているのかどうかは判別出来るようにしてあります。要するに赤字の値は嘘かも知れませんよという事です。

 因みにこの表で黄色く塗った欄は例の「滑らかな連続性を得るために、これらの丸め方は、常には使用していない。」という奴で調整されている欄です。一通り計算して見て行ったら結構ありました。こちらで補間した欄の値は特にそういった操作を加えていないので「滑らかな連続性」はありません。

 また空欄で黄色く塗ってある所は、制限値を超えていない筈なのに値が掲示されていない所です。

 あと公差域クラスで★印を付けてあるのは、単によく使いそうな物を目立たせる目的で付けただけで、それ以外に特に意味はありません。

 そんな訳でこのExcelファイルを置いておきますので、もしねじの規格に詳しい方が居らっしゃいましたら、この辺りの事についてご指導頂けると嬉しいです。

メートルねじの許容限界寸法.xlsx(の入ったZIP)

 基本的には JIS B0209 に基いているつもりですが、それを保証する物ではありません。

※ 間違いを発見された場合はコメント欄等でご指摘頂けると助かります。


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2015年10月28日

ねじの公差

追記 2015/11/05

 何となく規格に適合した感じの物が出来たので興味の有る方はこちらの記事も御覧ください。




 旋盤やスレッドミルでねじを切る際に、どうしてもねじの規格を調べる必要があるんだけど、公差域クラスから寸法許容差を調べるのが面倒だなぁと常々思っていました。

 なのでねじの呼び径とピッチ、公差域クラスを入力すると自動的に公差を調べて各部の寸法(内外径、有効径、谷底径)を算出してくれるツールが欲しいなぁと思っているのですが、なかなか見当たりません。特に加工で必要となるのは谷底径でして、それを計算する奴は随分前に作って使っていましたが、公差の値は自分で入力する必要がありました。そこがね、かったるいなと。

 そんな折に OSG の Thread Pro がリリースされ、これは!と思って調べているうちに、やっぱり自分で作ろうかなぁと思い立って Excel であれこれやっておりましたが、いくつか問題にぶち当たりました。

ThreadCalculator.png
<図1> 俺様計算機

 まず自動的に算出する為には、表から探し出すよりも公式から求める方が遥かに楽です。幸い JIS B0209-1:2001(以下 B0209-1 )には基となる公式が記載されていますから、それを使って計算するとそれっぽい値を求める事が出来ます。

 だがしかし、B0209-1 で定めている公差の値は、公式から計算した値を標準数列 R40 に近似し、なおかつ小数点のある場合には近い整数になるように丸める処理をしているので、算出した値そのままでは厳密には一致しません。これじゃ規格外だよなぁ。

 一応 B0209-1 の表1〜6を参照して、そこに該当する物の公差を調べる物も作ってはみましたが、やはり表に載っていないサイズのねじ(特に細目ねじ)の場合にどうしたら良いのか分からず、こちらも困ってしまいました。

 そんな訳で再び公式に基づいた方に戻って、標準数列 R40 に近似する処理も盛り込んで見ましたが...それでもやっぱり表の数値と合わない物が出てきてしまいます。

13.公式 この規格の値は、経験に基づいている。矛盾のない体系を得るために、数値計算の公式が開発された。

 有効径及び山の頂きの直径の公差及び、基礎となる寸法許容差に対する値は、公式によって計算し、標準数列 R40 に最も近い値に丸めた。しかし、小数点がある場合には、更に、値が最も近い整数になるように丸めた。

滑らかな連続性を得るために、これらの丸め方は、常には使用していない。

JIS B0209-1:2001 14頁

 これが実に厄介。計算値と明らかに異なる物がちらほらあるのもこいつのせいです。

 やはり特定の物に対して例外処理を盛り込むしかないのだろうか。

 しかし記載のある物に対してのみ対応させても、「滑らかな連続性」とやらが失われてしまいます。かと言って記載の無い物についてまで推測で勝手な丸めをするのも憚られるし...


 で、悩んだ末の結論としては、たかだか数μmの誤差なんて気にしない事にしました。実用上は大して意味無いので。

因みに

 OSGの「RPRG」ですが、ここのカタログには、ツールシャンクに表示されている値は、その工具で加工できる最小加工径のねじの ISO:5H に最適な基準値とありました。そしてこの場合の谷底の切取り高さは多分こちらの技術情報に書いてあるように、おねじの場合で H/6、めねじの場合で H/12 を基準にしているのだと思うのだけど、必ずしもそうでは無いのかなぁ?

 RPRGが表示されるようになって以降の工具を持っていないので、実際にいくつの数値が表示されているのか分からないのだけど、Thread Pro で見る限り、同一ピッチ、同一工具径でも例えばWX-PNCとPNGTとで値が異なったりと、ちょっと不可解な点もある。工具によって切取り高さの設定が異なるのかも知れないし、もしかしたら刃径公差とかも関わっているのかも知れない。

 あと同じ工具でもねじ径によって多少値が異なってくるが、これは特に工具径に対してねじ径が小さい場合に、干渉によってフランク面が広がるので、恐らくそれを考慮しているのだろうけど、だとすればある程度径が大きくなるとねじのリード角が小さくなる為に殆ど干渉が起きなくなるはず。にも関わらず、例えば M400×1とかに設定した場合でもどんどん RPRG の値が変わってくるので、ここら辺、ちょっと計算おかしいんじゃないかと思うんだけど、どうなのかなぁ?

 因みに自分のこしらえたツールでは、この干渉の事を考慮していない。というかどういう風に求めたら良いのか分からないので盛り込む事が出来ない。残念。まぁ個人的には細目ねじの用途ばっかりなので、あまり問題にならないから良いんだけど。でもやっぱりゆくゆくはきちんと対応させたいなぁ。


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2015年10月20日

エアロラップ

 以前納めた部品が修理で戻ってきた。曰く、エアロラップかけたら平面度が狂ってしまったので研削し直してくれとの事らしい。

 砥石当ててみると確かに0.025くらい凹んでいた。エアロラップってこんなに削れる物なのね。ちょっと驚いた。

 段付きなので通常のラップは出来ないから仕方がないんだろうけど、そういう事であれば知り合いの加工屋さんでそういう砥石持ってる所があるので、もう少し納期を貰えるなら頼んで見る事は出来るんだけど。研削盤だから平面・平行も心配無い筈。

 うちには240番の砥石しか無いから面粗度を言われちゃうと厳しい。

 それにしても真鍮の丸物の段研削というのはちょっと緊張する。クルンと行ったら即死だし。マグネット付かない材質はやっぱり嫌だなぁ。


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2015年10月09日

クーラントミキサー

 本日も油屋さんが見えて、以前にお願いしておいたクーラント自動希釈装置「オートミキサーFタイプ」という物のデモ機を持って来てくれました。

AutoMixer-F-Type.jpg
<図1> オートミキサーFタイプ

 クーラントの希釈装置といえばブラザー・スイスルーブのジェットミックスが超有名ですね。弊社にも一台ありますがドラム缶用なのでちょっと取り回しが良くないのが難点です。ミニ・ジェットミックスの方でしたらペール缶用があるのですが、こちらも決して安くは無いようなので...他に何か無いか探してもらった所、ケミックさんからこれを紹介して頂きました。

 このオートミキサーFタイプは競合製品と比べると値段は安い方ですが...ぱっと見は一般配管部品だけで出来てるように見えます。もしかしたらどこかに混合・撹拌のための何か特別な装置が仕込まれているのかも知れませんが、流石にデモ機バラしちゃまずい気がするので、触らない事にしておきます。もし仕込むとしたら原理的に考えてチーズの所くらいしか無いと思いますが、果たしてどうなっているんでしょうか?

 一般配管部品だけだったとしたら...材料費数千円?

 まぁ流石にチーズで繋いだだけではちゃんと吸えないと思うので、きっと何かが仕込まれています。多分。分かりませんけど。

 早速使ってみましたが、一応ちゃんと混ざりますね。出来たエマルジョンの粒径分布などは分かりませんが。

 ただちょっと吐出量が少ない気がします。あとペール缶への取付を工夫した方が良いですね。宙ぶらりんだと落ち着きません。それでも案外使い勝手は良いと思いますよ。個人的にはここのやつよりもこちらの方が使い易いと思いました。安いし。


 予算があるならやっぱりジェットミックスシリーズが良いと思いますが。

タグ:クーラント

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2015年10月07日

Thread Pro

 OSGのメールマガジンに登録されている方は既にご存知かと思いますが、スレッドミル用のプログラム作成ソフト「OSG Thread Pro」が公開されていました。“従来のExcel形式から大幅リニューアルし、様々なNC言語への対応のほか、操作性も向上しました。”との事ですが実際の所どうなんでしょうか。

 実は先日とあるCAMの講習を受けに行った際に、偶然このソフトの作者の方とお会いする事が出来、こういった物を作成中である事を聞いておりましたので、密かに公開を心待ちにしておりました。

 早速ダウンロードして少し触ってみましたが、正直言うとまだちょっと微妙です。まぁ初版ですからね。

 とりあえず最初のインストール先は何とかした方が良いと思います。またエンターキーで終了してしまうのもちょっとどうかな?

 機能的な所では規格外のサイズに対応して欲しいなと思いました。スレッドミルを使う場面は色々あるでしょうけど、タップでは対応し辛いからというのも結構あると思います。それはタッピング能力の問題であったり、精度の問題であったり、そもそも何だよそのサイズという物であったり...

 何だよそのサイズというのは光学部品ではよくある事でして、M20.85×0.75とか、M26×0.706(36TIP)などといったおかしなねじがそこら中にあります。そういう場合に活躍するのがスレッドミルなわけで、一覧にあるサイズのプログラムしか出せないとなると大幅戦力ダウンであります。一応ねじの種類として「M Custom (Metric)」というので呼び径に関しては自由に設定できるようですが、ピッチは一覧から選ぶしかないなど、少し中途半端な仕様なのが残念です。

 あとまぁこれはプログラムの流儀に関する事なのでどちらが良いとか言えませんが、ねじ径と工具径との関係について、プログラムを呼び径で組んで工具径で誤魔化すやり方と、プログラムを正しい谷底径で組んで工具データも実際のサイズで登録するやり方の2つがあると思います。どちらが一般的なのかは知りませんが、私は工具データは正しい寸法で登録したい派なので、プログラムは谷底径を狙うようにしています。めっき代の分オーバーサイズに加工する場合でも同様に工具摩耗補正とかで誤魔化さずにプログラム上のねじサイズを拡大するようにしています。

 その辺りとも関連しますが、折角ねじ精度に対応しているのにそれが工具径の目安を示してくれるだけというのではちょっと勿体無いと思いました。先程も述べたようにここの扱いには2つの流儀があるので、設定で切り替えられるようになると良いと思います。

 またこのソフトに限った事ではありませんが工具メーカーさんが提供しているツールではそこの工具を使う場合には良いのですが、他社の工具を使う場合には設定の自由度が限られていて不便です。まぁこの辺はある程度仕方ない事かも知れませんが。

 OSGの場合Excel版が先に存在するのでどうしてもそれと比較されてしまうと思いますが、使い勝手の面ではExcel版の手軽さには敵わないような気がします。設定項目がカテゴリー分けされていて分かりやすいのですが、後からちょっと設定を見直したい時に[戻る][次へ]のボタンだけで移動するのは面倒です。ここはタブか何かで飛べるようになると随分改善されると思いますが如何でしょうか。まぁ慣れれば特に気にならないかも知れませんが。

 あと個人的にこのソフトに非常に期待するのは、ポストが付いている事です!こういうのはとても珍しいと思います。NCプログラムの書式は人それぞれ好みがあると思いますが、どうしてもこういったツールから出すプログラムは自由にならないので気持ちが悪いのを我慢しなければなりません。しかしポストであれば頑張れば自分でカスタマイズできるので、そのストレスから開放される訳です。全般的な機能については要望を上げていけば取り入れて頂ける可能性は十分ありますが、プログラムの書式は人それぞれなので個人的な要望までは取り入れて頂く事は難しいでしょう。そこが自由になるなんてこれほど素晴らしいことは無いです。


 因みにこういったスレッドミルのプログラム作成ツールは工具のメーカーさんが提供している事が多く、OSGの他にも国内では三菱日立ツール日進工具なども出しています。

 海外メーカーの物ですと工具の入手性などから考えてCarmexVargusの2社を押えておけば良いんじゃないでしょうか。

 どのツールにも一長一短があるのでずばりこれ!という物はありませんが、個人的にはVargusのが好きです。OSGのExcel版も簡潔で良いと思います。

 まだリリース初版なのでこれからどんどん改良を重ねて行ってくれると思いますが、そこら辺を期待して私も要望を上げていけたらなと思います。みなさんも出来るだけ言いたい事言っておいた方が、自分好みの物になってくれる可能性が高まると思いますので是非に。


 あとですね、最後に一言だけ付け加えさせて頂くと、広告デカ過ぎじゃね?


posted by antec at 22:12 | Comment(2) | TrackBack(0) | ねじ切り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする