2018年06月23日

ヘリックスドリル使ってみたよ

以前に書いたこちら↓の記事の続きのお話です。

 Nine9のNCヘリックスドリルのデモ機を借りたまま放置してたら、そろそろ返してという連絡があったので慌てて使ってみました。

 具体的な型式は 99323-016-2030 (M08-HD17-2030)というねじ込み式のやつで、アーバは超硬の長いやつ(398016-150M08)です。選定はすべて販社の方にして頂きました。

 ワークはA5052で、加工する穴はφ24深さ60とまぁそんなに大変じゃないですが、5軸のバイスで横から空けるのでそこだけちょっと心配というくらい。でも実際にはNACHIのアクアドリルEX VFで結構な速度で空けてても平気なので、クランプ力も心配する程では無いようです。

 掘りたい穴の深さが60なので突出しは70〜80くらいにしたい所ですが今回98あります。借り物ちょん切る訳にも行かないので仕方ないですね。

 カタログの条件表だと穴径φ25として周速は 120-210-300 m/min, F 0.12-0.16-0.20 mm/rev, ピッチ 3.10-4.05-5.00 mmとなっており、手始めに初期設定時推奨値からトライしてみましたが、ちょっと遅すぎて比較にならない。

 いくつか条件探ってみると Vc200, F0.14, P6.0くらいが一番穴が綺麗に空く感じでした。条件が良くないと直径で0.05くらい入り口が広がってみたり、奥が窄まってみたりするようです。

 まぁ軽量化のための馬鹿穴なので精度よりも速度重視でやってみましょうということで条件上げてったら、主軸の最高回転数である15,000min-1(Vc 800m/min) くらいでも行けそう。所詮アルミだしね〜。

 てな訳で加工の様子はこんな感じ。クーラントで殆ど見えないので見辛い回転窓からですがご容赦下さい。

 とりあえず謳い文句の低抵抗というのは嘘じゃないです。推奨条件だと主軸ロードメータが10%くらい、綺麗に空く条件で14%くらい、動画の時のフル回転条件で44%くらいでした。もともと非力な30番の機械にこういう加工を移したいなぁと言うのが始まりなので、そういう目的にはぴったしの様な気がします。

 一方超高速というのはどうかなぁ。比較対象次第かも。

 デメリットとしては機械の中が細かい切屑だらけになって掃除が面倒です。アクアドリルEX VFの切屑は壁に張り付かないので掃除の手間が掛からないのですが、こういう所がちょっと億劫に感じます。

 あと加工条件がイケてないためか、深さ50くらいになるとやや切屑を噛み込みがちになります。噛み込んだ切屑が偶に穴の内壁にへばりついててよろしくないので、底まで行ったらヘリカルで戻して浚うようにしたのはその為です。スルー圧3MPaじゃ足りないのかも知れませんね。

 加工条件とかプログラムは動画の説明欄にも書いてありますが、こんな感じです。

S15000 M03
M50
G55 G90 G0 X-37. Y13. B0 C0
G43 Z200. H#518
Z20.
Z10.
G01 Z5.5 F1000.
G41 D#517 X-27.65 Y15.65 F2250.
G03 X-37. Y25. I-9.35 J0.
Z-0.5 I0. J-12.
Z-6.5 I0. J-12.
Z-12.5 I0. J-12.
Z-18.5 I0. J-12.
Z-24.5 I0. J-12.
Z-30.5 I0. J-12.
Z-36.5 I0. J-12.
Z-42.5 I0. J-12.
Z-48.5 I0. J-12.
Z-54.5 I0. J-12.
Z-60.5 I0. J-12.
I0. J-12.
X-46.35 Y15.65 I0. J-9.35
G01 G40 X-37. Y13.
G41 D#517 X-27.65 Y15.65 F6750.
G03 X-37. Y25. I-9.35 J0.
I0. J-12.
Z-54.5 I0. J-12.
Z-48.5 I0. J-12.
Z-42.5 I0. J-12.
Z-36.5 I0. J-12.
Z-30.5 I0. J-12.
Z-24.5 I0. J-12.
Z-18.5 I0. J-12.
Z-12.5 I0. J-12.
Z-6.5 I0. J-12.
Z-0.5 I0. J-12.
Z5.5 I0. J-12.
X-46.35 Y15.65 I0. J-9.35
G01 G40 X-37. Y13.
G00 Z20.
...

 肝心のお値段ですが、安くは無いです。デモ機の組み合わせで一式揃えると、NACHIのEX VF DLCが2本買えます。


posted by antec at 12:35 | Comment(2) | 工具 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月22日

機械の精度管理

 来月からまたちらほら機械が入る予定。新しい機械が入ったらまたいつものように自分が色々とセットアップして担当者に引き渡す予定ですが、そろそろこういう作業も誰かしらに引き継いで貰わねばと思うんですが、機械の精度、パラメータ設定、マクロなど、小難しい事が多くてなかなか上手く教えられないのが悩みのタネ。

 そもそもGコードの所からまだ十分理解されてないし。

 セットアップする際には精度をどう維持管理していくかを念頭に置いて作業を行う訳ですが、つい半年程前に書いた記事の中で「5軸のマシニングセンタで精度管理する為には、主軸のゲージラインを基準にするのが一番良いと思っている」と書きましたが、本当の事を言うとうちでは実際にはゲージライン基準で運用していません。

 何故ならば、実際にはそう出来ないから。

 ではどの様にしているかというと、ずばり『基準工具方式』です。

 どれか適当な工具を基準工具として登録し、例えその工具の本当の長さが登録した数値と異なっていたとしてもそれは無視して、兎に角基準工具の長さありきで他を全て合わせるという方式です。

 そんなんで大丈夫なの?と思うけしょうけど、現実機械の中で自己完結させながら精度を維持管理する為にはそれしかやりようが無いんじゃないかと思って自分はそんな方式で運用しています。

 求める精度がサブミクロンとかで無ければ、この方式で十分目的は達成出来ます。

 もしサブミクロンの精度が必要となったらどうしたら良いでしょうか。自分はその世界に居ないので確信は持てませんが、恐らくそれを実現するにはテーブル基準でやるしか無いんじゃないかと思います。もう少し具体的に言うとJeyecore方式。

 ナノの世界になるとこれでも難しそうなので更に進んだ対応が必要になると思いますが、私にはちょっとそこまでは想像出来ません。

 Jeyecore方式を自分は勝手にテーブル基準と見做していますが、メーカーがそう捉えているかは謎です。自分が勝手にそう決めつけている理由としては、Jeyecoreの装置は普通テーブル側に取り付けるだろうという事と、工具長だけでなく主軸の回転中心まで捉えて補正するという所から、主軸を絶対的な基準として居ないと判断出来るからです。

 ゲージライン方式の欠点は主軸のゲージラインが変化した場合に、周りがそれに合わせる必要がある所です。基準工具方式も似たような所がありますが、相対的な変化量がゲージラインを基準にするよりかいくらか軽減出来るという所と、測定が容易という所がちょっと違います。

 世の中色んなやり方があると思いますが、いったいどれが正解なんでしょうね?

追記 2018.05.24

 上でJeyecore方式をテーブル基準と書きましたが、運用方法次第ではJeyecoreを使って基準工具基準にする事も勿論可能です。Jeyecoreは単なる道具の1つですからそれに拘る必要もありませんが、あれに類する物を使うとしたら、3軸のMCだとテーブル基準で運用するのが素直な感じがします。一方5軸の機械では軸構成によってはテーブル基準にするのが得策では無くなると思われるので、まぁその辺りは運用でカバーするしかないでしょう。

 機械に絶対的な基準は無いので、まずはあらゆる所が常に変位するという大前提に立って、その中で何処を基準にして他を合わせていくか、それが実務作業の中で実現出来るかを考えるのが運用技術かと思います。


posted by antec at 21:19 | Comment(0) | 工作機械 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月14日

SUS303嫌い

 個人的には凄く下らない理由でSUS303が嫌い。何となく削ると安っぽく仕上がるから。

 その点SUS304の方があまり気にせず加工しても綺麗に仕上がるし、耐食性も303の様な心配は要らないし、材料の入手性だって良いし、どっちでも良いんなら素直に304にしとこうよって思う。

 あくまで個人の感想ですが。

 さて先日その嫌いなSUS303を加工していたのですが、SUS仕上げ用のインサートが殆ど在庫が無かったので、どうせなら何かかっこいい刃物買いたいなぁと思っていくつかカタログ見ていたのですが、CNGGでノーズR0.2くらいのキレっキレなやつってあんまり無いんですよね。そんな希少なラインナップの中で良さそうなのが京セラに有ったので買ってみました。

 これがなかなかに良い。仕上がり具合がとてもSUS303には見えない。

 これでちょっとは303嫌いも克服出来るかな?

 こいうシャープエッジなのは京セラかNTK、あとアプリテックってパターンが多いけど他に良いメーカーあるかな?

タグ:工具

posted by antec at 16:21 | Comment(2) | 旋盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする